エチオピアの地で探る、私たちの始まり
「エチオピア」。この名前を聞くと何を想像しますか?
世界最初のコーヒーの地?
それとも人類発祥の地?
エチオアピアは実は様々な魅力がある国です。
今日は、その中でも「人類の二足歩行の起源」にふれる旅に出かけてみましょう。
人類の原点とルーツ、エチオピア
エチオピアに興味を持った理由ですか? それは私たちのルーツに興味があるからです。
なにせここは人類が初めてに二足歩行を始めた場所かもしれないんですよ。
「ありがとう、ご先祖様!」と言う気持ちです。
でも「エチオピア?ちょっと遠いな…」と思ったあなた、一緒に『行ったつもり』で楽しんで下さい!
エチオピアの位置?どこにあるの?
エチオピアはアフリカ大陸の東部に位置する内陸国です。化石人骨が発見されたのは、アファール州あるアワッシュ川下流域。この地域では1974年に約320万年前の化石人骨「ルーシー」が発見された、その歴史的な意義から、1980年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。
地図で見ると、エチオピアはアフリカの「角」と呼ばれる地域にあり、日本の約3倍の広さを誇ります。首都アディスアベバは「アフリカの首都」とも呼ばれる国際都市で、アフリカ連合(AU)の本部が置かれるなど、政治的・文化的に重要な拠点となっています。
二足歩行の証
1974年、エチオピアのアファール地方で、人類の起源に関する重要な発見がありました。そこで発見されたのは、約320万年前に生きていた人類の祖先、アウストラロピテクス・アファレンシスの一部でした。
この化石人骨は「ルーシー」と名付けられ、大きな注目を集めました。
「ルーシー」という名前は、発見時に現場で流れていたビートルズの曲「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ」にちなんでいます。この発見は、人類が「歩く」ことが進化の大きなキーであることを示していました。
【ルーシーの骨格のレプリカ】
この動画はYouTubeチャンネルMichael Grobman様から共有させていただきました。ありがとうございます!
人類はどうして立ち上がったのか
ルーシーの発見は歴史を塗り替える大発見でした。骨盤や大腿骨の形状から、ルーシーはすでに二足歩行をしていたことが明らかとなったのです。人類が進化の過程でどのように歩み始めたのかを知る重要な手がかりとなりました。
人間が二足歩行に特化した骨格を持つことで、以下のような進化上のメリットを得ました。
- 両手の自由化:物を持つ、道具を使う、食べ物を運ぶなどの活動が可能に。
- エネルギー効率の向上:長距離移動を少ないエネルギーで実現。
- 視野の拡大:立ち上がることで遠くを見渡せるように。
- 体温調節:日光にさらされる身体表面積が減少し、効率的な体温管理が可能に。
進化を切り開いた二人のスター:アルディとルーシー
ルーシーが発見から20年後の1994年、今度はルーシーよりもさらに120万年以上の古い化石人類「アルディ」が発掘されました。
「アルディ」
二足歩行が始まった初期段階に位置し、樹上の生活と地上生活を両立させようと考えられています。
「ルーシー」・・・地上での生活が中心になった段階を示し、地上での生活が主であり、完全な二足歩行者。
アルディとルーシーは、人類進化の「スター選手」です。アルディは約440万年前の「初期の冒険者」。木の上でも地上でも「二足歩行を始めてみたけど」、まだ親指は自由に動く「ほうが便利かな」みたいな感じで、進化の実験中だったみたいです。
一方、約320万年前のルーシーは、二足歩行を完全にマスターしたエリート。 親指もしっかり整列し、地上生活を優雅にこなしていました。
わかるのは、私たち人類が「進化」というトライ&エラーを繰り返してきたということ。
アルディとルーシー、二人の「歩く」挑戦がなければ、今の私たちもなかったかも知れませんね。
歩み出す進化の物語
二足歩行は、人類の「進化の第一歩」ともいえる挑戦でした。
440万年前のアルディが「補助輪つき」のよちよち歩きを試し、320万年前のルーシーは「見て、手放しで歩けるよ!」と進化を加速させました。
この二足歩行のおかげで、手が自由になり道具を使い始め、遠くまで探索できるようになり、さらには草むらの向こうに潜むライオンを観察する視界も確保できました。
「二足歩行」は私たち人類がここまで進化する基盤となっている重要なステップです。
地球が作った進化のタイムカプセル
アファール地方が「人類化石の聖地」となったのは、地球が「進化の博物館をここに作ろう!」と決めたかのような地理的条件のおかげです。
この地域では活発な地殻活動が地層を地表に押し上げ、火山が「お任せください、完璧に保存します!」と猿人たちを火山灰で包み込みました。 乾燥した気候も「湿気ゼロ!保存環境最高!」と化石の保存を手助けしました。さらに、昔ここにあった川や湖が猿人の生活の場となり、自然と堆積物に埋もれる「化石化VIPルーム」を提供していました。
エチオピアが「人類発祥の地」として語られる理由は、アワッシュ川流域のこういった絶妙な条件にあります。
まとめ
今回はエチオピアを「人類発祥の地」として取り上げました。でもエチオピアは進化の歴史を語るだけでなく、「全部盛り」のような魅力を持つ国です。
- 圧倒的な自然の美しさ・・・シミエン国立公園(世界遺産)、バレマウンテン国立公園など
- 古代の歴史と宗教・・・契約の箱やアクスム王国、シバの女王の伝説、ラリベラの岩窟教会群(世界遺産)など
- エチオピア独自の文化と伝統・・・アフリカで唯一植民地化されなかった国
- コーヒー発祥の地・・・「カファ地方」で発見されたコーヒー豆は、現在世界中で愛されています。
今回すべて取り上げることはできませんが、また別の機会に『行ったつもり』で取り上げたいです。
ここまで読んでいただいて本当にありがとうございました!
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