世界一重いお金の島|ヤップ島で「お金とは何か」を考える旅

ヤップ島の石貨ライストーンを担いで運ぶ人々(1976年)

財布を忘れて出かけると、不安になります。

現金は持っただろうか。

カードは入っているだろうか。

最近ならスマートフォンの充電残量まで気になります。

では、もし財布そのものが存在しなかったらどうでしょうか。

南太平洋のヤップ島では、かつて巨大な石がお金として使われていました。

直径は数メートル。

重さは数トン。

当然ですが、財布には入りません。

というより、家の中に入れることすら難しそうです。

それでも島の人々は、その石で土地を買い、結婚の贈り物にし、ときには財産として相続していました。

さらに驚くことに、そのお金は持ち歩きません。

持ち主が変わっても、石はその場に置かれたままです。

では、誰のものかを記録していたのでしょうか。

帳簿でしょうか。

契約書でしょうか。

いいえ。

島の人たちの記憶だけが頼りでした。

話だけ聞くと、

「それで本当に大丈夫なの?」

と思ってしまいます。

しかし考えてみれば、私たちの銀行口座のお金も、実際には数字の記録にすぎません。

そしてその数字を価値あるものだと信じているのも、多くの人たちの共通認識です。

もしかすると不思議なのは、巨大な石をお金にしたヤップ島の人々ではなく、数字をお金にしている私たちの方なのかもしれません。

今回は、世界一重いお金が使われていたヤップ島を訪ねながら、「お金とは何か」を考える旅に出てみましょう。

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